午前の作業時間を増やす。それが成功への近道だ。有楽製菓株式会社 代表取締役 河合伴治氏午前の作業時間を増やす。それが成功への近道だ。有楽製菓株式会社 代表取締役 河合伴治氏

「朝活ノススメ」では毎回、朝の活用達人に成功の秘訣を伺いご紹介いたします。
第1回のゲストは大人気チョコレート「ブラックサンダー」で快進撃を続ける有楽製菓株式会社社長・河合伴治さんにお話を伺いました。最近の厳しい経済環境の中で有楽製菓さんの売上高はここ4年くらいで倍増しています。どんな秘訣があるか探ってみます。

Q)最近ブラックサンダーをあちこちのお店で見かけますが、誕生秘話や売上げ増加の秘訣等あれば、教えていただけませんか。

snap01河)ブラックサンダーは若手社員の自主的な創作作業から始まりました。以前はチョコの中身をコーンパフで作っていたのですが、ちょっと物足りないと感じた社員たちがいろいろな具材を試し模索を始めました。その中にはまずくて食べられない物もたくさんありました(笑)。様々な試作を繰り返す中で現在の具材に行き当たり、私も含めて誰もがこれはいけるのではないかと確信に至りました。しかし、そこにはひとつ大きな問題がありました。

Q)ほう、それは何でしょう?

河)原材料が高級すぎたのですよ。 当時、この種のチョコレートの小売価格は1個あたり20円が相場でした。子供が気軽に手に出来る価格。しかしこの新型ブラックサンダーはどうしても30円になってしまう。これには営業の猛反発を喰らいました。この価格では絶対売れないと(笑)。
しかし、私や開発者はこの味を世間に出したかった。反対を押し切り販売に至りました。

Q)それでいかがでしたか?

河)売れなかったですね〜、最初は(苦笑)。
売れないのと一時コストが合わず1シーズン販売中止にした時期が有りました。
そんなある時、九州の営業マンから進言がありましてね。お客様が再販を熱望されている。包材がある分だけで良いから作って欲しいとの意見が出てきました。私もブラックサンダーの1ファンでしたから(笑)採算度外視でやってみたのですよ。しかしご縁があって大学生協で販売が出来ることになり、チョコレートにしては珍しく男の子が食べてくれるようになった。通常は7:3で女の子の方が多いのが普通なのですが。5分5分でしたね。

Q)それで波に乗れたと……。

河)いやいや、そんなに甘くはないです。2、3年掛かってやっとその九州から認知され火がついて来ました。ほっとしましたよ。その後、数年掛かって関西でも売れるようになり、関東で売れるまで10年くらいかかりました。
2008年のある日、突然新聞社から連絡がはいりました。北京オリンピックの内村航平選手がブラックサンダーというチョコレートを食べてくれていると。「内村航平って誰だって?(笑)」正直その時は内村航平選手をまるで知りませんでした。申し訳ないですけど(笑)。思うに内村選手は九州諫早市の出身で、ブラックサンダーは九州で数多く販売されていました。それをごく自然に食べていてくれたのではないかと思います。また30円という値段は子供には高い価格なのですが、大人には買いやすい価格が受けたという事もあるのでしょうが。

Q)なるほど、ブラックサンダーはマーケティング戦略で当たったというわけですね。

河)いや〜っ偶然ですね(笑)。でも、あの営業マンの進言がなければ今はなかったなぁ〜。もう定年で会社にはおられませんが、特別表彰というカタチでお招きしたらすごく喜んでくれて、こちらも嬉しかったですよ。

Q)ところで、会社の隆盛には商品はもちろんのこと、他にも要因がたくさん有ると思いますが、その辺りのことを伺えませんか。

河)そうですね〜。今から4年半前くらいに倫理法人会に入会しました。お誘いを受けたことと職場の教養という冊子が欲しくてね(笑)。その入会と売上げ上昇の推移が見事にシンクロしているのに気づきました。

Q)具体的には何を行ったのですか?

河)簡単ですが、朝礼のやり方を倫理法人会で推奨している「活力朝礼」に変えただけです。
朝礼を変えたら徐々に社員の挨拶の仕方が自然と変わってきましてね。
ある時、お客様が来るたびにみんな立ちあがって挨拶を始めるのですよ。社内のCS委員会で決めたということで社長(私)が出張中にそんなルールが出来ていました。お客様が来て知らずに座っていたら怒られちゃいました(笑)そんなことを繰り返しているうちに自然と売上げも上がって来ました。会社というモノは体験して気づくのですが、つくづく感じるのは人間の心の持ちようですね。

Q)朝を上手に活用して業績を伸ばしているということですね。すごい! 社長自身は何か朝に特別なことはされていますか?

河)早朝掃除ですかね。「朝7時半までに社長が出社する会社はつぶれない」という話を聞いたことがあります。それを実行していたら次第に出社時間が早くなって今では6時20分には会社に来ています。その時間を利用して掃除をします。社員の中には6時前に来ている者もいますよ。朝礼実施以降、朝の重要性を皆がわかってきているみたいですね。

Q)河合さんにとって倫理法人会とは何でしょう?

河)一言で言えば「道しるべ」。大いに助かっています。モーニングセミナーで週1回学ぶことによりいろいろリセット出来ますからね。

Q)企業人として順風満帆な人生に見えますが、失敗はありますか?

河)事業での失敗は山ほどあります(笑)。私生活で後悔していることがひとつあります。父親との確執。ずっと反発して生きて来ました。父親と別の場所で仕事がしたくて東京の本社から豊橋に移りました。反面教師として父を見てきましたが、倫理で学ぶことにより、親のありがたさがようやく判って来ました。あの父がいたおかげで今の自分があると。いま父は認知症であやまっても理解してもらえないのが、最大の後悔ですね。

Q)なるほど、それでは最後に社長が大切にされていることは何でしょう?

河)そうですね。なんといっても人と人とのご縁かな。営業マンの一言に助けられたり、社員さんが自主的に動いてくれたり。全然知らなかった内村選手に助けられたり、倫理法人会で知り合った人たちにいろいろなことを教えていただいたり。自分一人で解決出来たことはほとんど無い(笑)。ことあるごとに周りが助けてくれる。感謝の気持ちでいっぱいですね。
それから活動する時間帯かな。朝礼の重要性を知り、【午前中が勝負の時間】と認識するようになりました。午前の時間を増やすには朝起きがポイントですから、私だけでなく、社員さんが率先してくれる。これまたありがたい!

1時間ほどの短い時間でしたが、終止笑顔を絶やさない優しい語り口。お話を伺い、なるほど、こんな社長さんなら事業が上手くいくのもうなずけると感じました。特別なことをしているわけでもなく、当たり前のことを当たり前に粛々とこなす。理想的な経営者の姿を見た思いがしました。

(インタビュー:愛知県倫理法人会 広報委員長 石川雅之 / 副委員長 中村 剛)

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